裏技2
前回予告の「740×640タイプ」の防水パンへのマルチメゾン対応に関し、多くの方々から早く紹介して欲しいとのお問い合わせがありました。
まずお断わりしておきますが、「マルチメゾン」は「640×640タイプ」の防水パンへの専用設計です。
したがって、これからご紹介する方法が、全ての740ユーザー様へ適応するものではございません。
あくまでも参考事例としてご理解くださいます様お願いいたします。
では、まず740タイプでは市場に一番出回っているTOTOさんへの対応例です。
この防水パンは、同社の640角サイズの横幅が740ミリになっていますが、4隅の盛り上がり(洗濯機脚の載るところ)が長方形に広がっています。
それに伴い、マルチメゾンのブロックを載せる上面にはパン中央に向け640タイプより大きい勾配が付与されています。
ということは、640パンにマルチメゾンを載せた時より、ブロック下(パンとの間)に多少スキマが生じてしまいます。
画像では分かりにくいかも知れませんが、約3ミリ程度のスキマです。
このスキマがあるまんまマルチメゾンを載せると、各ブロックがパン中央に向けて少し内倒れした状態になってしまいます。
そこでそのスキマを埋めるべく、3ミリのゴムマットをパンとブロック下に差込んで安定させます。
こうすれば、マルチメゾンの上面もほぼ水平な状態となります。
ただし、マルチメゾンの前ブロックのフロア接地部との相対関係が変わるため、ゴムマットの使用時は前回ブログと同様に、「後ブロックのみ4個で対応」させる必要があります。
また、4個のブロックのバランスを取るために、740幅の中央に設置することが望ましいです。
当然、前ブロックを使用しないため、手前の開口部はオプションのサイドカバーで対応します。
マルチメゾン自体、多くのメーカーの640パンに対応させるべく、複数のパーツを使い分ける設計のため、そのままでは微妙な誤差を埋めきれないことが出て来てしまいます。
次はLIXIL(旧INAX)さんの740パンへの対応をご紹介します。
こちらは、同社の640タイプと高さ的な位置関係がほぼ同様なため、TOTOさんと違いマルチメゾンをそのまま設置頂けます。
こちらは前ブロックをそのまま設置しても、フロアとの位置関係が変わりません。
パンの設計も横幅を640から740に変更しただけのモノのようです。
パンの上に置く位置は、TOTOさんと違って、右か左かどちらに揃えて設置することをお奨めします。
ちなみに一般の方では、TOTOとかINAXとかのメーカーの判別は難しいのが普通です。
おまけに洗濯機がパンの上に載っていればなお更ですね。
そこでひとつ判別しやすいポイントをお教えしましょう。
パンの4隅にフロアと固定するネジ穴があります。
ここの形状(意匠)が両者で違いますので区別できると思いますよ。
左の斜めにカットした形状がTOTOさんで、右の丸く縁取られた形状がINAXさんです。
以上、大変長くなってしまいましたが、740タイプの防水パンへのマルチメゾン対応、皆さんの参考になられましたでしょうか?
何度も申しますが、これらはあくまでお客様からの要望にお答えした参考例です。
今後も皆様のお声を大切にして、今まで以上により良い製品作りを心掛けてまいります。